ある日。職場の昼休憩中にスマホを弄っていると、土合駅という群馬の山奥の地下70mの奥深くにある駅について記載されている記事が気になった。
廃墟のようなホームまでの通路。
地下深くのホームまで続く階段。
核シェルターにも見なくもないホーム。
駅周辺には民家すら無い秘境駅。
毎日のクソ満員電車でクソ通勤し、駅のホームからクソ会社までの道のりもクソ人混みの中を歩いて出社し、納期に追われるクソ仕事をクソ残業して、家について寝るというクソ生活と、クソ東京のクソ人混みに消耗して人気のない僻地に行きたいと常々思っていた。
そこでたまたま記事で見ていた土合駅という秘境駅。
これは行くしかないと思い、行くことにした。
上越新幹線で越後湯沢へ
2016年10月15日、上越新幹線で越後湯沢へ向かう。
乗車した新幹線はMaxとき。
そういやいつの間にか、Maxは東北新幹線から消え去ってたな。
数年ぶりに乗車すると懐かしいな。子供の頃はこれが来ると嬉しかったもんだ。
2階は景色が他の新幹線より良いし、1階はスリリングで2度おいしい。
高崎を過ぎると、住宅地が多めだった車窓が田園風景と山並みに・・・。
そしてトンネルに入り、しばらくコンクリート壁の車窓が続く。
トンネルを抜けると上毛高原に到着。
ホーム全体が屋根で覆われている薄暗い駅。
反対ホームには人っ子一人いない。心霊スポット化されそうなほど不気味な駅。
上毛高原を出発するとトンネルへ・・・。
上毛高原で全員が降車し、この車両(厳密には2階部分)は俺ひとりに・・・。
これが北陸新幹線効果か。
北陸新幹線金沢開業前に乗車した時は着席できないくらいだったのに・・・。
トンネルを抜けると、越後湯沢に到着。
東京から近い温泉街のはずなのに乗車したのは10数人。
もはやここが秘境駅では?ホーム全体が屋根に覆われて薄暗いし。
ホームを歩いていると閉鎖された謎の階段が。
階段の先には薄暗いコンクリートの広場がある。
北陸方面行きの特急乗り換えの名残だろうか。
改札を抜け駅舎を出る。
温泉街と聞いていたが、熱海と違ってまったく活気がないな。土曜だというのに・・・。
人混み嫌いな俺的にはいいが。
上越線で土合駅へ
土合駅に向かう為、越後湯沢から1日5本(土日祝6本)しか走ってない水上行の電車に乗車する。
車窓は田園風景からスキー場へ、スキー場からどんどん民家すらない山奥へ。
どんどん秘境駅へと向かっている感じがしてくるな。
長いトンネルを2回ほど抜けると土合駅に到着。
ホームには、家族連れとか、登山客とかそこそこ人が居た。
というか今までの途中駅より一番人が居る気がする・・・。
読者の方はなんで地下じゃないの?と思われるかもしれないが、上り方面(水上・高崎方面)はホームが地上にある。目的地は下り(越後湯沢・長岡方面)ホームである。
ちなみに地下のホームは上越線の複線化に伴って出来たらしい。
改札を出るために駅舎に入る
駅舎の中は廃墟っぽい無骨な内装。
あと、何故か鉄棒らしきものが・・・。
ここで鍛えてから地下ホームに行けって事かな?
改札を抜け駅舎を出る。
無人駅のくせに立派な駅舎。実家の最寄駅(有人)より立派だな。
あと、秘境駅と聞いていたが人多いな・・・。
あと車駐車し過ぎ。
本当に秘境駅かよ・・・。
下手なローカル駅より活気があるな。
地下ホームへ
目的の地下ホームに向かう為、駅舎に入り、地下ホームへ向かう階段へ続く通路を通っていく。
心霊スポットの廃墟みたいな薄暗い通路だな。
ちなみにこの通路は駅舎を抜けた先にある国道291号を越えていく。
通路の途中に風除けが・・・。
電車が通ると地下ホームから強風が吹いてくるってことだろう。
通路が急に広くなり奥に地下ホームに続く階段が見える。
それにしても家族連れ、カップル、登山客と人が多いな。
もはや観光名所と化してるようだ・・・。
あと階段でジョギングしてるおっさんも居た・・・。
とかホームに続くトンネルへ。
辛うじて奥に地下ホームが見えるくらい長い階段。
自宅の最寄駅がこれだったら絶望するな。
そもそも、この階段を上り下りしないといけないことに絶望しているが・・・。
よくこんな所に駅造ったな・・。
下れど中々ホームにたどり着かない。
階段を振り返ると地上からかなり潜っていることが分かる。
やっと階段の最下部に到着。
地深くだけあって空気がひんやりしている。
疲れた・・・。帰りはこの階段上るのか・・・。
あとこんな標識が。
駅舎とホームの標高差70.7m。改札まで488段の階段を登らねばならない。
同駅の同路線なのに上下線でここまで離れているとは・・・。
ちなみに日本の地下鉄で一番深い大江戸線六本木駅の42.3mより28.2m深い。
ここでホームかと思ったらホームまであと約10m・・・。
遠すぎる・・・。
地下ホーム探索
やっとホームに到着。
ネットで見た通り、核シェルターみたいなホームだな。
写真に写っていないが、ホームには見物客がちらほらと・・・。
鉄道マニアか、俺みたいな物好きしか居ないもんだと思っていたが、普通に家族連れとかカップルが居るのが意外だった。ホント物好き多いな。
旧ホームと現ホーム。
2008年まで旧ホームを使用していて、現ホームがある線路は通過線だったらしい。
旧ホームがかなり長いが、昔はこんな長い電車が停車していたのだろうか・・・。
地下なのに待合室が・・・。
中はこんな感じ。
ホームと同じく空気がひんやりしている。
奥の窓からは隣の倉庫が見えていて散らかっていてほこりが被っているように見える・・・。廃墟みたいだな・・・。
現ホームの水上側の先端から旧ホームを見ると奥に謎の白い小屋が・・・。
なんの小屋だろうか・・・。
トンネルの側面に穴が開いているが、なぜかその穴に短い線路が敷いてある。
何のために線路が敷いているだろうか・・・。
あと、穴の奥にプランターらしき白い容器が。地下で植物実験でもしているのだろうか。
駅舎に向かう
地下ホームを一通り見たので、今度は階段を上り地上に出る。
階段の左側に地面むき出しの謎のスペースがあるが、エスカレーター設置の為のスペースらしい。ただ、こんな山奥の秘境駅にエスカレーターなんて設置する予定はないようだ。
そもそも気が利かない事で有名な?JR東日本が設置する訳がない。新幹線の切符を買うのを諦めそうになるレベルに使い難いえきねっととか、もはや使い難さを通り過ぎてなんの為に存在するのか分からないJR東日本アプリとか、一切気が利かない会社だしな。(JR東日本管外在住の方や、電車なんか貧乏くさくて乗らねーよっていうセレブ様には分からないと思うが・・。)
ちなみにエスカレーター設置予定のスペースは小川と化していた・・・。
270段付近。下を向くと地下ホームが小さく見える。
大分登ってきたようだが地上までまだまだ・・・。
ちょっと息が上がってきたぞ・・・。
やっと階段の頂上に到着。
流石に休憩無しで462段を上ると息が上がるな。
それにしても腹が減ったし疲れた・・・。
駅舎に向かう通路ベンチで休憩。
この通路も廃墟みたいだな・・・。
休憩を終え駅舎に向かうと、通路の扉にこんな文字が・・・。
「お疲れ様でした(階段数462段) 改札出口まで後143メートル階段2か所で24段です。がんばってください。 JR土合駅」
これ絶対狙ってるよな?
さっき地下ホームに向かうときに知っていたが、階段462段登った時よりこれを見た時の方がどっと疲れたわ・・・。
階段24段と143mの通路を通りやっと改札へ。
一駅歩いた時よりきついな・・・。同じ駅の駅舎とホームの行き来だけだなのに・・・。
改札の近くに謎の展望室が・・・。
展望室からの景色はこんな感じ。
いい景色とも撮影スポットとも思えないが何のための展望室なのだろうか?
そもそも展望室かも分からんね。
改札を抜け、駅舎を出る。
腹減りすぎたので昼食を取りに、駅周辺で唯一食事処がある谷川岳ドライブインに向かう。
つづく。