皆さんは通勤中にこんなことを考えたことは無いだろうか。
会社と逆方向の電車に乗って会社をサボって旅に出たいと。
ちなみに、自分は毎日考えていてる。
・出勤中に最寄りの駅のホームで人間圧縮機と化した電車を見た時。
・乗り換えの駅で明らかに遠そうで知らない街へ向かう電車を見た時。
・通勤電車の車窓から新幹線が見えた時。
3つ目に至っては、北は北海道、南は九州へ1週間、いや1ヵ月ほど失踪してみたいとさえ考えてしまう。
特に、この行先の電車を見ると会社をサボって逆方向に乗りたいと思ってしまう。
それは、東武伊勢崎線の「会津田島」行きの電車だ。
都心からだと、有料特急電車や新幹線を除くと遠いと言っても群馬、栃木、茨城といった北関東や、山梨、静岡といったほぼ関東みたいな所で、しかも、そこそこ大きな街やそこそこ有名な観光地に向かう電車ばかりだ。
しかし、会津田島行きは違う。関東から抜け出し、大きな街でもなければ観光地でもない山奥のよく分からない山村に向かうというのがそそられる。それも、特急券を購入しなくてもひょいっと乗ってしまえば、よく分からない東北の山村に連れていかれるというのも欠勤冥利に尽きる。
しかし、東武鉄道から悲報が告げられる。
東武伊勢崎線の快速、区間快速の廃止である。
2017年4月に別途特急券が必要な特急列車に置き換えられてしまうというものである。
いつかは、会社をサボって乗ってみたいと思っていたが、中々踏み込めなかった。
流石に廃止されてしまうので、乗車に踏み切ってみた。
2017年3月、何の気まぐれか分からないが有給を取得するよう会社に促され、有給を取得し実家に帰省することにした。
体調不良と稼働調整、有給消化扱いの、年始年末休暇と夏季休暇以外、取得なんてできないのにどうした・・・?
東武伊勢崎線快速電車で会津田島へ向かう。
会津田島行きの快速電車に乗車するため北千住へ。
浅草じゃないのかと突っ込みもありそうだが、会社をサボって逆方向の電車にというのを再現するため北千住から乗車する。
本当は、北千住の方が自宅から近いからだけど
20分ほど駅のホームで待ち、快速電車に乗車する。
早く来すぎたな。
平日の都心とは逆方面の電車だが、そこそこの乗車率。
乗客は観光目的の老人と、春休みなのか学生が多かった。
車内は、長距離列車なだけあってボックスシート。
この古さ加減といい、昔地元を走っていた電車を思い出すな。
北上する都度に、車窓からは、ホームで待つスーツの群れが増えてきているのが見えてきた。
今日有給が取得できなければ、今頃このスーツの群れに交じって行きたくもない会社に、乗りたくもない都心に向かう社畜の奴隷船電車に乗っていたと思うと、優越感が。
これが会社サボって乗車する電車だったら背徳感もあって更に良かったんだろうけど。
車窓は、住宅街を抜け田園風景に。
ホームからも、スーツ姿が消え、通学する高校生がちらほら見える程度に。
乗客も通学する高校生が加わり立ち客も。
下今市駅で、東武日光行きの電車を切り離し、会津田島に向かう。
乗客も、通学する高校生の姿が無くなり、まばらな観光客のみとなった。
それにしても足元が寒すぎる。いい加減
座席下の暖房入れてほしいな。
鬼怒川温泉駅に到着すると、乗客の過半数は降車していった。
それと同時にインド人の集団が乗車してきた。(パキスタン、ネパールかもしれないどけ)温泉巡りでもしているのだろうか。
あと、今の座席だと山の斜面しか見えないので、川沿いが見える通路反対側の座席に移動。
鬼怒川公園駅を過ぎたあたりから雪がちらつき始めた。
会津田島とか積もってんのかな・・・。
やっと、座席下の暖房を付けたのか足元が寒くなくなった。
龍王峡駅からトンネル区間が続く。
川治温泉駅でトンネルを抜け。インド人の団体が降車する。
やっぱり温泉巡りか。
川治湯元駅からまたトンネル区間が続く。
ここからのトンネルがかなり長く、車窓も見れず携帯電話も圏外で退屈だった。
湯西川温泉駅に到着。
群馬の土合駅みたいにトンネルの中にある駅だ。
土合駅みたいに地上に出るのに長い階段を上らないといけないのだろうか。
湯西川温泉駅を出発直後、トンネルを抜け車窓には雪景色が。
まさか一駅で雪景色に変わるとは思わなかった。
特急でも新幹線でもないのに、北千住から乗り継ぎ無しで雪景色が広がる所まで来れるなんて不思議な気分だな。
中三依温泉駅で行き違いの電車待ちでしばらく停車する。
その間に車外に出て撮影。
凄く寒い。雪国に来たんだな・・・。
北千住で快速電車に乗車した時より明らかに寒い。
ホームは雪で覆われていて、スニーカーの半分が埋まるくらいの積雪だった。
行き違いの電車が到着し、電車が発車する。
電車は北上していく都度に雪深くなっていく・・・。
途中こんな駅名の駅が。
会津山村道場って何の道場だろうか?豪雪極寒の中で体を鍛え上げる道場だろうか。海パンでスノボーとか?寒中水泳とか?
車窓は雪景色というか雪しかない景色に変貌した。
実は、とんでもない所に向かっているんじゃないだろうか・・・・。
会津田島に到着
ほどなくして会津田島駅に到着。
北千住から3時間15分。遥々やってきた会津田島。
まさか、終着駅がこんな雪国だったとは・・・。
会社サボって行ったら最高だったろうに・・・。
あと、思いの外尻が痛くならなかったが、日頃の社畜生活デスクワークで慣れたからだろうか。学生時代はあんなに尻が痛いと言っていたのに・・・。
肉体改造までさせられる社畜生活、怖い・・・。
乗車した快速電車は浅草に折り返すようだ。
ただの快速電車がこんな雪国からやって来てるなんて感慨深いな。
会津田島を散策する為、駅を降りる。
それにしても、雪が強く降ってきている。これ以上激しく降らないといいけど・・・。
つづく。