10年前のある日ネットを徘徊していると、
2006年11月とある鉄道から、衝撃的な報告があった。
それは・・・。
「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」
ふむふむ・・・。
「電車運行維持のためにぬれ煎餅買ってください!!!」
は?
これを見た時、電車とぬれ煎餅との因果関係が分からず思考が停止した。
思考が回復すると、どうせねらーの悪戯かと思った。
しかし、ネタとなった銚子電鉄のHPを見てみると堂々と切実に掲載されているではないか。
これは乗りに行くしかない!!
そうして、2007年3月24日
地元宮城から銚子に向けて出発した。
羽田空港見学
仙台から東京に始発の新幹線で東京駅に。
東京駅で成田エクスプレスに乗車し成田空港に。
何故成田空港かというと銚子だけで1日潰すのも大変だろうと思ったのと、成田空港は空港施設に入るだけで手荷物検査と身分証明書の提示を求められるというセキュリティが高いカオス空港として気になったためだ。
※改札検問は2015年3月30日に廃止。
東京駅から約1時間、成田空港に到着。
駅の改札を抜け、セキュリティーチェックという名の検問が。
身分証と手荷物検査、入場理由を述べ検問を通過。
入場理由は「ちょっと見学に来ました。(^q^)」とふざけた理由だったが普通に通してくれた。
空港内は結構な数の警察官が巡回しており、空気がピリピリしていてどこか殺風景な感じがした。
日本最大の国際空港なのにこれで良いのかと思うと同時にテロ対策には良いのかもしれないと思った。
空港の屋上に行くと世界各国の飛行機が滑走路をひっきりなしに離着陸を行っていた。
あと、飛行機マニアと思しき一眼レフを片手に写真を撮ってる輩も結構いた。
だから検問で「ちょっと見学に来ました。(^q^)」と言っても入れたわけだ。
小一時間ほど離着陸する飛行機を眺めたり撮影したりした。
飛行機マニアではないが色々な国の飛行機がひっきりなしに飛び交っていて見ていて飽きなかった。
成田空港を後にし、成田駅で京成線からJRに乗り換える。
銚子までは各駅停車しかなく銚子まで1時間半近くかかる。
本を持ってきていていない俺はぼーっと車窓を眺めながら時間を潰す・・・。
当時は今のようにスマホは存在しておらず、読書かぼーっと車窓を眺めるくらいしか時間を潰せない。
iPhoneすら数か月前に登場したばかりで日本では発売していない。
10年もしないうちに、スマホが登場していつの間にか老若男女問わず所有して、ネットが衣食住と同じく生活必需品になるとは思わなかった。
地球の丸く見える丘展望館から海を眺望
閑古鳥が鳴いてるのかと思ったが、ぬれ煎効果なのか電車は満員に。
発車するとやはり赤字路線。線路がガタガタでかなり揺れる。
だが、個人的にはこういう寂れたローカル私鉄が好きだ。
寂れたローカル私鉄は駅舎も車両も時代が止まったままで、乗るだけで非日常が味わえる上、その鉄道全体から漂う哀愁がただの移動手段でしかない鉄道とは思えない人間臭さというか何かを感じるからだ。
約20分程で終点の外川駅に到着。
しかしローカル鉄道の駅のステレオタイプみたいな駅舎だな。
外川駅から地球の丸く見える丘展望館へ歩いていく。
周りは一面キャベツ畑。
まだ3月だというのに一面緑の風景は意外と不思議な気分になる。
地元だと田園風景広がっている場所があるが、この季節はまだ水すら張っておらず地面がむき出しの一面土色で一面緑色の風景なんて見ることはできないからだ。
地球の丸く見える丘展望館に到着。
四方海岸を見渡せるが天候が悪く靄がかかっており残念。
天候が良ければ絶景なんだろうな。
うーん靄が・・・。
犬吠埼で海を眺望
地球の丸く見える丘展望館を後に、犬吠埼に向かう。
途中、銚子鉄道の踏切が見え丁度電車とすれ違う。
犬吠埼に到着。
海は大時化。
3月だというのに冷めかけのお湯みたいな湿った風が気持ち悪かった。
犬吠埼灯台に向かう。
天候が良くないのに灯台付近には結構な人がいた。
灯台に登るが、天候が悪く靄がかかって地平線が見えない。
晴天じゃないのが悔やまれる。
灯台のある丘を下り海岸へ。
すごい時化てるなあ・・・。
岩だらけの海岸を歩いていると、岩に当たった波が雨でも降ってきたのかってくらいに顔にかかった。(ずぶ濡れにはなってない)
なんだかんだスリルがあって楽しかったな。
宮城へ帰宅
犬吠埼を後にし、犬吠駅へ。
外川駅と対照的なバブリーな駅舎。
それにしてもぬれ煎効果なのか人多いなあ・・・。
枕木が見えないくらい雑草が生い茂る鉄路をガタガタとひた走る。
ボロさ加減が、なんか日本の鉄道というより発展途上国の鉄道にでも乗ってる気分になるな。
それにしても線路がガタガタで脱線しないか不安になるくらい揺れるな。
電車の修理代だけじゃなく線路の修理代も必要だな。
銚子駅に到着。
特急しおさいに乗り換え、東京へ。
東京駅から新幹線に乗り換えて地元宮城に帰宅。
銚子電鉄に乗って寂れたローカル線の良さを再発見したと思う。
地元宮城にも似たようなローカル私鉄、くりはら田園鉄道という鉄道があった。
子供の頃、細倉マインパークというテーマパークに行くときに乗ったときはかなりワクワクしたことを思い出した。車で行く方が多いから尚更。
JR線と違いボロボロの線路、ボロボロの駅舎、車両はディーゼルカー。
どれをとっても普段乗ってる電車と違って新鮮だった。
丁度、この年の4月にに廃線になったが乗りに行かなかったのを今も後悔してる。
次もこんな感じで寂れたローカル私鉄に乗りに行くのもありだな。
終わり。